ひとりごと

8名の会員とともに展覧会に行きました。

 8名の会員とともに展覧会に行きました。その報告と感想です。

六古窯(ろくこよう):備前・越前・信楽・瀬戸・丹波・常滑と猿投窯(さなげよう)を中心とした日本列島の焼きものを鳥瞰する展覧会でした。

六古窯は、古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な六つの窯の総称です。

昭和23年頃、古陶磁研究家・小山冨士夫氏により命名され、平成29年には「日本遺産」に認定されました。猿投窯も大きな窯場でしたが、現在は廃れてしまっているので六古窯には入っていません。

この手の展覧会は、ある意味で学芸員の研究発表の要素があり、作品を鑑賞するとともに展覧会のコンセプトを探る楽しみもあります。ですから図録は研究成果の記録集とも言えます。とはいうものの私は購入しませんでした。なぜならほとんどの図録には眼を通さないからです。私の研究対象の現代美術の展覧会の図録なら眼を通しますし、自らが企画した展覧会の図録なら図録にも眼にも穴があくほど読み込みます。

話がずれましたが、この展覧会の面白さは、日本列島という地域が醸し出した今でいう「美」をあらわにしようとしたところです。

例えば「侘び」「寂び」あるいは真・行・草という秩序、そういった得体の知れない「美」の成立を支えた人々の価値観、自然観と言った感覚的世界観を焼きものであらわにした展覧会のように思えます。

現代の私たちにも知らず知らずのうちに身につけたこの独特な文化(僕はガラパゴス文化と言っている)の中で育まれた感性。これがないとこの展覧会を味わうことは、ちょっときついんじゃないかなと思ってしまいました。

千年の歴史を誇る六古窯ですが、もともとは生活の中で使われるうつわという実用性のみで成り立っていたわけでそこには「美」に対する意識などあったとしても二の次だったでしょう。そこで生み出されたうつわは「美」を超えた有用性があったからこそ千年も産業として続いているのでしょう。

時代が変わればその有用性も変わり、瀬戸にしろ信楽にしろ現在は危機的な状況に中にあるわけです。工芸品としての商品には限界があるのでしょう。これから六古窯がどうなることやら、あまり期待は持てませんが、今日の日本の文化の根底にあるガラパゴス的雰囲気をいつまでも守っていてほしいものです。

(六古窯のホームページもあります。興味のある方はhttps://sixancientkilns.jp/ をご覧ください)